ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門無料ダウンロードkindle
ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門
によって 浅古 泰史
4.1 5つ星のうち(3人の読者)
ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門無料ダウンロードkindle - 内容紹介 【政治というゲームに取り組んでみよう 】 政治家の汚職など、誰もが気になるニュースを題材に政治学を学べる入門書。複雑な問題でも単純明快に解きほぐすゲーム理論の醍醐味を味わえます。多くの身近な具体例や演習問題のほか議論の題材も各章に用意し、副読本としても使える構成に。 【主な目次】 Introductionゲーム理論という視点 Part I:選挙と政治 chapter1低投票率──人々が投票するのはなぜか chapter2選挙競争──誰の意見が政治に反映されるのか chapter3汚職──政治家の汚職を減らせるか chapter4連立政権──政党間協力は野合か Part II:情報と政治 chapter5政治家の資質──良い政治家を選抜できるか chapter6選挙運動──選挙費用は公費で賄うべきか chapter7メディア──報道の自由は確保されているか chapter8脱官僚──政治家が政策決定をするべきか Part III:世界と政治 chapter9政治体制──なぜ独裁者は邪悪に走るのか chapter10民主化──なぜ民主主義に移行するのか chapter11戦争──なぜ戦争が起こるのか chapter12平和──戦争を避けることはできるのか 内容(「BOOK」データベースより) 政治家の汚職、独裁者による圧政、悲劇を生む戦争…その問題、ゲーム理論で読み解けます。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 浅古/泰史 1978年生まれ。2001年、慶應義塾大学経済学部卒業。2003年、一橋大学にて修士号(経済学)取得。2009年、ウィスコンシン大学マディソン校にてPh.D.(経済学)取得。日本銀行金融研究所エコノミストなどを経て、現在に至る。現職:早稲田大学政治経済学術院准教授。専門:数理政治学、政治経済学(公共選択論)、応用ゲーム理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 続きを見る
ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門の詳細
本のタイトル
ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門
作者
浅古 泰史
ISBN-10
4641149283
発売日
2018/12/20
カテゴリ
本
ファイルサイズ
19.06 (現在のサーバー速度は19.35 Mbpsです
以下は ゲーム理論で考える政治学 -- フォーマルモデル入門 の最も正直なレビューです。 この本を読んだり購入したりする場合は、これを検討してください。
ゲーム理論を知らなくても読める政治学の入門書!ゲーム理論の入門書には、「囚人のジレンマ」が「核開発競争」、「調整(協調)ゲーム」が「平和協定」などの例が充てられ、ゲーム理論が経済問題だけでなく政治問題も分析出来るといった記述がある(岡田(2014)、天谷(2011)、川西(2009)、渡辺(2004)、Dixit and Nalebuff (1993)など)。この本は「政治」問題に焦点を当て、ゲーム理論を使って分析する手法を非常に丁寧に展開し、議論している。これ自体ゲーム理論の入門書にもなっている。私はゲーム理論や政治学の専門家ではないが、政治学へのゲーム理論の応用をかねてから知っていた。今回初めてこの本を通じて教えてもらった。人はなぜ投票するのか?何故民主化が進むのか?といった政治的にも歴史的にも重要なテーマが非常に簡便な確率や分数、そしてゲーム理論を使って説明されている。特に、2018年政治分野の男女共同参画が公布・施行され、女性の政治参画が進められている。待機児童への対策が他の先進国に比べ遅れている理由として、「女性の政治参加」が遅れていることが指摘されている(三浦(2015)、大山(2018))。しかし、本書は選挙で「待機児童問題」の対策を訴えても、同じ待機児童を抱えた女性層の政策に対する好みが、年金問題を抱える高齢者層や農業問題を抱える農協など組織に比べて均質でなく、投票行動につながりにくい可能性を指摘する(この点は三浦(2015)も指摘する)。単に女性の候補者を増やすことで問題が解決できるとは限らないのだ(大山(2018)は、統計的に女性の議席率が増えると子育てへの予算が増えると指摘している)。また、アメリカと中国との貿易紛争が世界的に衆目を集めている。これは、中国がアメリカのハイテク技術など「知的財産」を盗んで経済発展してきたというアメリカ側の不信に由来するもので、中国経済の動向が注目されている。2018年、中国では国家主席の任期を2期(10年)までとしていた規定を無くす憲法改正案が可決し、習近平(シーチンピン)による「一党独裁」が永久に続けられることになった(朝日新聞2018.3.11)。「経済が発展すれば、自動的に民主化が進む」という議論(フクヤマ(2005)など)は、中国には通用しないようだ。それは何故か?本書を読めばヒントが得られる。そのほかにもメディアや官僚など、フェイクニュースや森加計問題(官僚による「忖度」)など興味深い話も議論されている。韓国では何故大統領が辞めれば逮捕されるのかについても書かれている。本書は、ゲーム理論を知らない人も、少しの根気さえあれば読み通せうる。ただ、本書は「ゲーム理論(経済学)で何でも説明できる」(ゲーム理論(経済学)帝国主義)といった類ではなく、むしろゲーム理論で扱える政治問題は限られ、現実の政治問題の解決にあまり役立たないことを忠告する。あくまで本書の狙いは、政治を「論理的に」考える術、政治を算術で説明する、現代の「政治算術」としてのフォーマル・モデルを紹介することにある。併せて、飯尾(2007)や中北(2012)など日本の議院内閣制や政党制などの政治本や政治学の入門書を読むのもよいだろう。本書は個々人の政治的関心に応じて読むのがベストだと思った。本書のExercise(演習問題)は本文を読めば解けるレベルで、本書の理解に役立つが、問題を解かなくてもザッと読むだけでもよい。同じ著者による『政治の数理分析入門』に今度チャレンジしようと思った。好著を刊行した浅古さんに感謝する!参考図書大山礼子(2018)『政治を再建する、いくつかの方法政治制度から考える』日本経済新聞社三浦まり(2015)『私たちの声を議会へ――代表制民主主義の再生』岩波現代全書岡田章(2014)『ゲーム理論・入門新版人間社会の理解のために』有斐閣中北浩爾(2012)『現代日本の政党デモクラシー』岩波新書天谷研一(2011)『図解で学ぶゲーム理論入門』日本能率協会マネジメントセンター川西諭(2009)『ゲーム理論の思考法』中経出版飯尾潤(2007)『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』中公新書渡辺隆裕(2004)『ゲーム理論 (図解雑学)』ナツメ社Dixit, Avinash K.,Nalebuff, Barry J. (1993), Thinking Strategically: The Competitive Edge in Business, Politics, and Everyday Life W W Norton & Co Incフランシス・フクヤマ(2005)『歴史の終わり』三笠書房
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